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<W解説>慰安婦「河野談話」30年、韓国側が依然、追及を続ける旧日本軍の強制の有無

2023/08/07 08:45入力

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慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官(当時)の談話が発表されてから今月4日で30年を迎えた。松野博一官房長官は3日の記者会見でこれに関連した質問に答え、「慰安婦問題に対する政府の立場は談話を全体として継承しているものであり、岸田内閣でも変更はない」と述べた。

河野談話は当時の宮澤喜一内閣の河野洋平官房長官名で発表された。談話では、慰安婦に関して、慰安所の設置や管理、慰安婦の移送に旧日本軍が関与したことを認め、「おわびと反省」を表明した。日本政府が慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪したことに、当時、韓国でも高い評価を受けた。談話についてはその後の政権も「全体として継承している」との立場をとってきた。

一方、談話については、客観的根拠のない旧日本軍による強制連行があったととられてしまうとの懸念も日本では根強い。現に韓国ではこの談話について「日本政府が旧日本軍による慰安婦の強制連行を認めた」と解釈されている。

日本政府は2021年4月、「『従軍慰安婦』という表現は誤解を招く恐れがある」として、「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切だ」とする答弁書を閣議決定した。当時、閣議決定した答弁書は、日本維新の会の馬場伸幸衆院議員(現・代表)の質問主意書に答えたもの。馬場氏は、質問主意書で「従軍慰安婦」という用語について、「軍により強制連行されたかのようなイメージが染みついてしまっている」として、「今後、政府として『従軍慰安婦』や『いわゆる従軍慰安婦』との表現を用いることは、不適切であると考える」とした。

慰安婦の表現をめぐっては、河野談話で、「いわゆる従軍慰安婦」との表現が用いられた。

答弁書では河野談話が出された当時は「従軍慰安婦」との表現が「広く社会一般に用いられる状況だった」と説明。その後に朝日新聞が、慰安婦を強制連行したとする虚偽の証言に基づいた記事について2014年に誤りと認めた経緯を踏まえ、「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切だ」とした。

これに対し、韓国側は当時、遺憾の意を表明。外交部(外務省に相当)は「日本軍慰安婦の動員、募集、移送の強制性は否定しようとしても否定できない歴史的事実」とし、「韓国政府は、日本政府がこれまで自ら明らかにしてきた歴史的認識を揺らぐことなく維持し、これを覆そうとする試みや逆行する言動を控え、歴史問題解決に対する真正性を示す必要があることを改めて強調したい」と述べた。

2021年の答弁書に沿う形で、3日の記者会見でも「慰安婦問題」の用語を用いた松野氏は、談話が「問題を永く記憶にとどめる」としていることについては「談話の趣旨は特に具体的な研究や教育を念頭に置いたものではないが、慰安婦問題を永く記憶にとどめ繰り返さない決意を表明したものだ」と説明した。

日韓両国は2015年12月28日、岸田文雄外相(現・首相)と韓国外交部のユン・ビョンセ長官(当時)との間で、慰安婦問題の解決を確認する慰安婦合意を交わした。この合意では慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的に解決された」ことを確認。しかし、韓国のムン・ジェイン(文在寅)前政権が事実上白紙化。解決に至らぬまま7年半以上の歳月が過ぎた。昨年から今年にかけて、日韓の懸案である元徴用工問題は韓国側が解決策を示すなど、大きく前進したが、これとは対照的に慰安婦問題は膠着(こうちゃく)状態となっている。

今年6月、慰安婦合意の交渉記録のうち、一部を開示するよう韓国の弁護士が韓国外相に求めた訴訟で、韓国の大法院(最高裁)は、文書の非公開が妥当とした二審の判断は正当だとし、上告を棄却した。弁護士側は慰安婦の「強制連行」に関する日韓協議の内容について公開を求めていたが、「公開すれば日本との信頼関係を損ね、政府の外交交渉力が弱くなる」として原告側の逆転敗訴を言い渡した二審判決が確定した。聯合ニュースによると、大法院の関係者は「慰安婦の被害者に関する合意は外交部が日本政府と進めた交渉の結果」とし「非公開で行われた外交交渉の内容を公開しない利益が、これを公開することで得られる利益より大きいとみた二審の判断を正当とみなしたもの」と説明した。

この訴訟からもわかるように、韓国側は今なお、旧日本軍による慰安婦の強制連行があった可能性について追及しようとしていることがうかがえる。




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