「40年間育てた娘が病院で入れ替わった子だった」=韓国
2023/03/18 08:54入力
出産した子供が病院で入れ替わった事実を42年後に知った家族に対し、病院側が賠償しなければならないという裁判所の判決が出た。
18日法曹界によると、韓国ソウル西部地裁はA氏夫婦と娘C氏が産婦人科医院運営者だったD氏を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で「D氏がA氏夫婦とC氏にそれぞれ5000万ウォン(約503万円)を支給せよ」と判決した。
夫婦の女性A氏と男性B氏は1980年3月、D氏が運営していたスウォン(水原)のある産婦人科医院で女の子を出産した。産婦人科の看護師は当時、病院で新生児C氏をA氏夫婦に引き渡した。
娘のC氏を実の子だと思って育てていたA氏夫婦に試練が訪れたのは、娘の年齢が40歳を超えた昨年4月だった。娘のC氏の血液型がA氏夫婦の間ではありえない血液型であることが分かったのだ。
A氏夫婦の提案で昨年5月、家族全体が遺伝子検査を受けた。結果は驚くべきことに、娘のC氏とA氏夫婦の親子関係が成立しないという内容だった。
A氏夫婦は、A氏が出産した病院で子供が入れ替わったと見て、当時病院運営者だったD氏側に当時出産記録を保有しているかどうかを確認したが、義務記録が全て廃棄されたという話を聞いた。義務記録が全て廃棄されたことで、A氏夫婦が実際に出産した実子およびC氏を実際に出産した実親を確認することも事実上不可能になった。
A氏夫婦と娘のC氏は「病院で子供が入れ替わって精神的苦痛を受けた。これに対する慰謝料を支払え」と損害賠償請求訴訟を提起した。原告らに各5000万ウォンを支払い、出産時点である1980年3月を基準に年5%の遅延利子を支給せよという内容だった。
裁判所もA氏家族の肩を持った。裁判所は「子供が出生した病院で他の子供と入れ替わることは経験則上想定し難い」とし「A氏がD氏の医院で出産した事実が認められ、実子だと思って育ててきたC氏との間に実子関係が認められない以上、D氏の医院でA氏が出産した新生児とC氏が入れ替わった事実が認められる」と判断した。