韓国の仏教界、テンプルステイの臨床実験を計画...心身治癒効果の立証は可能か

2023/02/02 06:20入力

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韓国にはテンプルステイ（仏教徒の生活を体験する文化プログラム）をすることで、心と体が癒されるという俗説がある。果たしてこの俗説を立証できるだろうか。

　韓国の仏教界がテンプルステイを活性化させるために、テンプルステイによる免疫力増進や、治癒効果に対して科学的な検証を実施する。

　大韓仏教曹渓宗の韓国仏教文化事業団は1日、テンプルステイを一層特化する内容で、今年の事業計画を発表した。

　この計画によると、全国から寺院10か所程度を選んで100人以内の臨床試験参加者を募集。年内に検証結果を発表する予定で研究中だ。

　韓国の仏教界は、以前からテンプルステイの治癒効果を広報してきた。がん患者を募集してテンプルステイを実施したところもあり、テンプルステイを通じて治癒効果を得たという人々の証言もたまに耳にする。しかし、実際に科学的に効果があるかどうかは立証されていない。

　仏教文化事業団は、今年になって新型コロナウイルス感染症の防疫措置が相当部分解除されたため、テンプルステイの参加者を増やす計画だ。コロナ流行以前の50万人台を目標にするという。

　テンプルステイは2019年に約53万人参加したものの、2020年には約24万人に急減。昨年は約43万人に回復した。

　計画には企業の福祉制度として、職員を対象にしたテンプルステイも拡大し、底辺を広げる内容もある。低所得層や障害者、ひとり親家庭など、社会的弱者のために進めてきたテンプルステイも続ける。

　また、全国各地の寺院が管理している巡礼路を旅行資源として活用できるよう発掘する。とくに梁山・通度寺や順天・仙岩寺、海南・大興寺など、ユネスコの世界文化遺産に登録された「山寺、韓国の山地僧院」や、伝統建築物と連携したストーリーテリング型のテンプルステイも新たに開発する。

　韓国寺刹料理（精進料理）も、世界各国で注目される「Kカルチャー」として広報する計画だ。

　仏教文化事業団長であるウォンミョン僧侶はこの日、ソウル鍾路区のテンプルステイ広報館で開かれた懇談会で、「テンプルステイは国内外の人々に、忙しい日常から抜け出し心身を空にするために、その時間を提供してきた。知恵と慈悲を育てる瞑想・相談・治癒プログラムを研究・開発し、参加者ひとり一人の人生がより一層豊かになるようにしたい」と述べた。