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「離脱」ではなく「抗議」する韓国ゲーマーたち…トラックデモから「ウマ娘」の馬車デモまで

2022/08/30 14:12入力

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29日午前、ゲーム会社が密集する韓国キョンギド(京畿道)ソンナム(城南)市のパンギョ(板橋)駅付近で、カカオゲームズのゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」(以下、「ウマ娘」)のユーザー代表パク・デソンさんが過度な課金と運営未熟の問題解決を求めて馬車を走らせ、一人デモを行なった。

 昨年4月、「リネージュM」の運営未熟が物議を醸してトラックデモに続き、ゲーマーたちの自発的な募金でデモが相次ぎ、ゲームの運営方法に対する不満を積極的に表すゲーム業界へのデモのやり方が普遍化されているほどゲーム会社のコミュニケーション窓口が必要だという声が高まっているのだ。

●「日韓の差別」で運営未熟さが炎上

 29日午前10時から城南市一帯で行われた馬車デモは、カカオゲームズの社屋が位置する地域を回る1.4キロで計画された。

 物議の導火線は「日韓の差別」だった。ゲーム内コインの一種の財貨は、プレイにおいて重要なアイテムだ。この財貨を日本のサーバーに比べてひどく少なく支給されていたという指摘が出てきて、多くのユーザーが共感し、疑問を投げかけ始めた。

 その後、ゲームの大事なイベントである「チャンピオンズミーティング」の告知が開催3日前に掲載されてユーザーの不満が本格的になった。日本サーバーでは3週間前に詳細資料と共に告知されていたが、韓国サーバーではわずか3日前に簡潔な案内文を含めた告知だけを掲載し、物議を醸した。

 これに対して、今月24日午後、カカオゲームズは公式ファンページに謝罪文を掲載し、「至らない部分や未熟な対応に対する意見は、反省する気持ちでみんなが確認している。現在確認された事案はもちろん、今後伝えてくださる意見についてもじっくり確認して最善を尽くす」と改善の方向性を明らかにした。

 デモを行なったユーザー代表のパク・デソンさんはカカオゲームズ本社前で記者に会い、「大部分のユーザーはカカオゲームズ側の謝罪文の内容が責任逃れの面が大きいとみて、納得することはできなかった。一番気になっていた責任の所在について伝えられないという言葉ばかり繰り返し、改善に対する約束も肝心な部分を避けた内容だった」と指摘した。

●SNSで公論化し、30分で950万ウォン(約98万円)集まる…「離脱」ではなく「抗議」するユーザーたち

 今回の馬車デモはユーザーの自発的な募金で行われた。今月23日に始まった募金は30分で約950万ウォン集まり、24日にはデモに使用する図案や文句選定のための大会が開催された。

 過去のユーザーは、ゲーム会社の運営方針に不満を持ったら利用を中止するという方法で対応してきた。しかし最近に入り、オンラインコミュニティー空間などで運営に関する意見を共有し続けて関連世論を形成し、不満が溜まるとゲームから離脱するのではなく、これをゲーム会社に積極的に表現して変化を求める方法が一般化されている。

 今回の馬車デモも変化の一環だと分析される。「ウマ娘」の特徴を生かし、トラックではなく馬車を送り出そうというコミュニティーのユーザーからのアイデアが始まりだった。馬車デモ募金はカカオトークのオープンチャットルームで行われ、コミュニティーには“募金認証ショット”が相次いだ。

 ゲーマーたちのデモは、昨年1月のネットマーブル「Fate/Grand Order」のトラックデモが始まりとなった。既存ユーザー対象のキャンペーンが突然中止になったことが導火線となったが、たまった不満が爆発した結果だとも言える。トラックデモは、その後ncの「プロ野球H2」、ネクソンの「マビノギ」と「メイプルストーリー」、GRAVITYの「ラグナロクオリジン」などに拡散した。

 昨年5月にもモバイルゲーム「リネージュM」が模様アップデートを白紙化した後、最大1億6000万ウォン(1640万円)の被害に遭ったユーザーが現れるなど反発がった。当時のユーザーも同年4月に自発的な募金を通じてトラックデモを行ない、計900万ウォンほどの募金額で配置したトラックには「テクジンさん出頭しろ、紳士らしく謝罪しろ、半月以内に返金しろ」という文句が書かれていた。

●相次ぐ抗議に株価が揺らぐ…コミュニケーションだけが生きる道

 オンライン上の自発的で積極的な公論化と迅速なデモ募金などの慣行が安定するほど、ユーザーとのコミュニケーションより実質的になされるほど、ゲーム会社がコミュニケーション窓口を整えなければならないという指摘が出てくる。

 「ウマ娘」のユーザーは25日、声明文で「ユーザー代表との懇談会開催および今後継続的なコミュニケーション窓口の新設」と「物議を醸した事項に対するユーザー代表との論議および具体的な改善案の発表」などを要求し、ユーザー代表とすぐに直接対話をして措置が行われなければ、ユーザーとコミュニケーションする意思がないと判断して不買運動、トラックデモなどのより強い団体行動に出ると明らかにした。

 続けて「コミュニケーション不足などのような不満事項を継続し、会社側に訴えたが責任逃れの弁明ばかり通知し、消費者の要求を黙殺している」と主張。

 ゲーム会社のコミュニケーション不足問題によるユーザーの反発デモは、すぐに売り上げや株価の下落につながった。

 「ウマ娘」のGoogleplayの評点は物議を醸してから、一時は5点満点中1.1点にまで下がり、売上ランクも6位に下がった。一時、証券街では「ウマ娘」が四半期で600億~700億ウォン(約62億~72億円)の売り上げになると見通したが、最近ではカカオゲームズの株価が4%下落するなど今後の展望は不透明になった。

 昨年のトラックデモを経験したネットマーブルもデモ以降、新作公開遅延などによってことしの上半期は2四半期連続の赤字で、今月23日の株価は2017年の上場以来最低価格となる6万3200ウォン(約6500円)を記録した。これはトラックデモ前に比べて50%の下落となる。




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