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警察官からモデルに、理事から警備員に…引退後も彼らが働く理由=韓国報道

2022/04/03 07:47入力

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引退後の労働を通じて人生の楽しみを探す高齢者たちがいる。彼らは仕事を通じて社会への所属感を確認するだけでなく、寂しさや孤立のような情緒的な憂うつからも解放される。昨年、保健福祉部の高齢者実態調査によると、就業中の高齢者のうつ病の割合は7.8%で、未就業の高齢者(16.7%)よりも半分近く少ない。

ソウル市カンナム(江南)区に住むキム・ギョンアさん(65)は現在、シニアモデルとして活動しながら「第2の人生」を生きている。キムさんは警察官として36年間公職につき、2018年に退職した後、4年前からモデルの仕事に挑戦している。「退職後、社会と断絶された感じがしたが、仕事を始めてから所属感とやりがいを感じた」と語り、「正直、周囲からどうして働くのかという声もあったが、まだ健康なのだから働かなければならないと思う」と話した。

キムさんはシニアモデル協会の正会員として、ファッションや広告など業界を問わず活発に活動している。2020年伝統市場モデル大会で銅賞、KMAシニアモデル大会でも受賞した彼女は最近、公益広告にまで手を広げ、政府規制革新公益広告にモデルとして出演したりもしている。

彼女は「現在、江南のシニアクラブで創意教室の講師としても働いている」と話し、「昨年甲状腺がんの手術を受けた後はしばらくしんどかったが、元気を出せたのも仕事のおかげだ。最近も毎日わくわくしている」と笑顔を見せた。

33年間にわたる公職を退職したキム・ヨンフンさん(69)は現在、コンビニエンスストアで店長として働いている。「退職後の休みの間は人生が単調で、無意味だと感じた」と語り、「最近はやるべきことがあるということが楽しく、人と出会って活力を得ている」と話した。

しかし、仕事を通じての楽しみを誰もが楽しめるわけではない。就職市場では年齢によって優先順位が存在するためだ。75歳以上の高齢者の経済活動の割合は、60代と比べて確実に落ちる。

統計庁が発表した「2021年高齢者経済活動の実態」によると、75~79歳の高齢者の経済活動比率(28.8%)は、65~69歳のそれ(55.1%)に比べ半分程度にとどまっている。

ソウル市クムチョン(衿川)区に住むキム・ホンソンさん(76)はマンションの警備員として働いている。彼はなんと54回も面接に落ち、やっとの思いで仕事に就いた。セマウル金庫の理事まで務めた彼の経歴は、年齢の前では無用の長物だった。

キムさんは「仕事は私にとって幸せであり、私の存在理由を確認できるお金以上の価値」と話し、「私が必要とされていることにやりがいを感じる」と語った。

しかし「年齢のせいで就職は容易ではなかった」と話し、「60代と70代が就職で経験する現実は厳しい。高齢者が人生の楽しみを見い出すために仕事は必ず必要だ」と強調した。

雇用労働部と企画財政部の調査によると、今年の高齢者雇用件数(65歳以上)は84万5000件と、昨年の78万5000件よりも6万件増加したが、65歳以上の高齢者人口901万8412人の10%にも満たない少ない件数だ。一方で、勤労を希望する高齢層の人口は全体の半分を超える。

東大門シニアクラブのチャン・アラ館長は「仕事は高齢者にとって所属感と分かち合いの二つの側面で大きな意味がある」とし、「定年退職という制度のため、一瞬にして失業者になって感じる虚しさと寂しさ、またそれによって生じるうつ病と孤立は多くの高齢者が感じる困難だ」と述べた。

チャン館長は「OECD(経済協力開発機構)加盟国中で高齢者の自殺率第1位の韓国で、高齢者福祉のための雇用支援に最善を尽くさなければならない」と述べ、「世代間の統合を通して互いに支え合い、足りない部分を補完するシステムを作っていかなければならない」と述べた。

■自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口

●こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556

●よりそいホットライン:0120-279-338、岩手県・宮城県・福島県から:0120-279-226

●いのちの電話:0570-783-556




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