韓国ニュース
政治 日韓関係 経済 社会/文化
IT/科学 スポーツ 北朝鮮 話題

個人情報収集で物議の韓国公捜処、発足1年目にして「解体論」浮上

2022/01/02 10:52入力

<拡大写真>

今月21日に発足1年を迎える高級公職者犯罪捜査処(公捜処)が、個人情報収集などの問題で解体論が浮上している。「検察改革の産物」という言葉が色あせるほど、この1年間、公捜処は一日も静かな日がなかった。「イ・ソンユン(李盛潤)ソウル中央地検長に対する皇帝捜査」や「無分別な個人情報収集」など、自ら論争の種を巻いて、与野党の政争に巻き込まれている。

 話題の多さに比べて捜査の実績は低調だ。公捜処が立件した24件のうち結論を出たした事件は、ソウル市教育監(教育庁の長)のチョ・ヒヨン氏事件だけだ。初期の捜査力を集中したイ・ギュウォン検事事件は、検察に起訴権を渡し、公捜処の存在理由を自ら捨てたという批判まで出ている。

 しかし、検事が25人に過ぎず、公捜処法が法的に整っていないという現実的な限界もあり、法を改善するべきだという指摘が出ている。

 韓国メディアのニューシースは2日、解体論が起きている公捜処論争は今年も続くだろうと報じた。

 公捜処は個人情報収集を「適法であり、査察ではない」と主張しているが、「照会の対象と時期を選別したのか」、「通話内容の照会理由」などについては捜査状況という答えだけを繰り返している。

 保守系野党「国民の力」は、所属議員84人とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領選候補夫妻の個人情報を収集したことについて、「査察行為」と規定し、公捜処の解体を主張している。大統領選挙を控えて政治的攻勢が続けば、誤った捜査慣行を踏襲しないという公捜処の設立目的が色あせ、捜査に支障を来たすと憂慮される。

 こうした中、革新野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)大統領選挙候補が先月31日、「政権を握れば公捜処を直ちに解体する」と約束した。

 1日、韓国の世界日報によると、安候補はこの日フェイスブックを通じ「最も大きな問題は公捜処が単純に被疑者と通話した相手が誰かを確認する水準ではなく、民間人を特定して通話リストを選んでいるということ」とし、「こうしたやり方は振り込め詐欺のような犯罪集団を一網打尽にする時に使う捜査方式」と指摘した。

 続いて「公捜処が捜査している事案と直接的な関連もない野党政治家まで対象に含まれているのを見ると、これは捜査のための照会ではなく別件捜査を作るための査察」とし、「1987年民主化以降、諜報機関もしてこなかった前代未聞の事件」と非難した。

 このような解体論の中で、公捜処の評価はまだ時期尚早という意見も出ている。

 2日、ザ・ファクトによると、法曹界では公捜処についての評価は時期尚早だと指摘する。発足にだけ力を注ぎ、それ以降、立法的な補完に気を使わなかったため、こうした騒動の大きな原因は国会にあるというのだ。

 韓国刑事・法務政策研究院のスン・ジェヒョン研究委員は「(発足後)短期間だったので、評価はまだ早い。きちんとした評価を下すには、われわれが公捜処に何をしてあげたのか、まず考えるべきだ」とし、「発足後、政界は事実上何もしなかった。現在は公捜処法と事務規則しかない。まともに評価するためには、公捜処らしく活動できる法制度が必要」と指摘した。




韓国・北朝鮮のニュースなら、ワウコリア・ワールド

Copyright(C) 2004-2024 AISE Inc. All Rights Reserved.